お香のこと 香原料について

MATERIAL

香原料について

お香はインドから中国を渡り、日本に伝わりました。
そのため、お香の原料は古来より国外から仕入れたものを使用して作られてきました。

長い年月の中で海外より伝わったお香は、日本の文化と混ざり独自の調合により進化を遂げ、日本特有の香りが生まれました。
日本のお香作りに使用される原料をご紹介いたします。

WORLD

厳選したお香の原料を
世界の国から

きゃら

伽羅(英名:Agarwood)

  • 産地:
    ベトナム

ベトナム産。沈香の最高級品。
ベトナム中南部の地域でしか採取されず、日本では沈香と区別される希少な香木。

沈香の中でも最高の芳香を有するといわれる伽羅。
現在は産地で全く取れなくなり、価格が高騰している。
香道では、五味(沈香の香りの表現)のバランス が よく、全てを感じることができる香りとされている。
古来より産出量が少なく高価なことや、他にはない人を魅了する香りから、権力者が収集していたと言われている。

じんこう

沈香(英名:Agarwood)

  • 産地:
    マレーシア、インドネシア、カンボジア、ベトナム、タイ

沈丁花科の常緑高木に油脂が凝着し、長い年月を経たものほど香りが良い。

沈香について詳しく見る場合は沈香の専用ページへ

びゃくだん

白檀(英名:Sandalwood)

  • 産地:
    インド、インドネシア

インド、インドネシアから、ハワイ、オーストラリアまで広く分布する。白檀科の半寄生の常緑高木。本来は立ち枯れた木皮部を削りとり、芯材部分を使用する。

白檀について詳しく見る場合は白檀の専用ページへ

ちょうじ

丁子(英名:Clove)

  • 産地:
    アフリカ、マレーシア、インドネシア

インドネシア、ザンジバルで産出される。古来より代表的なスパイスで、大航海時代には歴史を動かす程の物であった。

フトモモ科の常緑樹の蕾(つぼみ)の部分で、釘の形に似ていることから丁子と名付けられたと言われている。
クローブとも呼ばれ、肉料理やカレーの香辛料、チャイの香りづけなど、スパイスとして様々な国の料理で使用されている。

かっこう

藿香(英名:Pachouli)

  • 産地:
    中国 、インド 、インドネシア

南アジア原産のシソ科の多年草。芳香健胃薬。体を温める作用がある。皮膚病の薬としても有名。

お香の調合では他の原料と相性が良いため、よく使用される。
お香の原料として多くは中国で産出されるものが使用されるが、アジアの熱帯地域のインドネシアやインドなどでも産出される。
また、パチョリとも呼ばれ水蒸気蒸留にて葉 より精油を抽出し、香水やアロマテラピーで使用される。

あんそくこう

安息香(英名:Benzoin)

  • 産地:
    マレーシア、インドネシア

インドネシア・スマトラに産するエゴノキ科の安息香樹の樹脂。樹皮に傷を付けて、にじみ出る樹脂を集めて採集する。抗菌作用がある 。

上質になるほど乳白色~黄白色で 、バニラのような甘味のある香りが強く出る。
お香としては他の香りに少量混ぜて、香りを安定させたり、長持ちさせたりと補助的な役割を担うことが多い。

かんしょう

甘松(英名:Spikenard)

  • 産地:
    中国、インド

中国、インドなどに産するオミナエシ科の草木の根・茎。香料としては根が適し、茎は生薬として鎮静、健胃などに用いられる。

新約聖書の中で死を予感したイエスの足に塗られたと言われる「ナルドの香油」はスパイクナード(甘松)だと言われている。
単独では良い香りと言えないが、沈香との相性が良く、時間の経過と共に濃厚な甘さに変化する。

けいひ

桂皮(英名:Cinnamon)

  • 産地:
    中国、ベトナム

クスノキ科の常緑高木の樹皮。樹皮を剥いで乾燥させたもの。
古来より香料や食品として重用される。その他、生薬としても健胃などに幅広く使われる。

桂皮は乳香と没薬についで最も多く聖書に記載されている。
日本産、南中国産、スリランカ産と産地によって香りが違い、使い分けをしている。
現在お線香では南中国産の広南桂皮が多く使用されている。

さんな

山奈(英名:Galanga resurrectionlily rhizome)

  • 産地:
    中国

中国南部の多年草の根茎を輪切りにして、乾燥させて用いる。芳香健胃薬。

別名バンウコンといい、江戸時代に南蛮のウコンという扱いで入って来たことから、バンウコンと名付けられた。
お香の原料としてはショウガの匂いに近いスッキリとした香りである。
調合の際には他の香料の強烈な香りをぼかして両方をなじませることのできる、補助的な役割で使われることもある。

だいういきょう

大茴香(英名:Star anise)

  • 産地:
    中国

中国南部に自生するモクレン科の常緑樹の実。八角の星形をしているので八角茴香ともいう。スパイス、防腐剤、健胃剤として薬効がある。

果実が熟す前に収穫し、乾燥して作られている。
八角は中華料理の香辛料としてだけでなく、様々な国で料理のスパイスとして使用されている。
インフルエンザのタミフルを作る際の原料としても有名である。

りゅうのう

龍脳(英名:Borneol)

  • 産地:
    マレーシア、インドネシア

インドネシア原産のフタバガキ科の常緑高木より採取される、白色の結晶。防虫・防腐効果がある。

50mにも達する大木で、樹心部の割れ目のような空間に無色透明な結晶ができたものを採取する。
昔は木を切り倒し、細かく割り採取していた。

かいこう

貝香(英名:Cuddy shell)

  • 産地:
    アフリカ

巻貝のフタを粉末にしたもの。アフリカ東海岸で採れる物が良質。保香剤として、香を安定させ長持ちさせるのに使用される。

単独では良い香りと言えないが、少量を香料に混ぜると全体の香りがしっかりと引き締まる。

にゅうこう

乳香(英名:Frankincense)

  • 産地:
    アラビア半島 、アフリカ

アラビア半島南部やアフリカ 北東 部で集散される。カンラン科の幹から滲出した含油ガム質で凝固した団塊を収集する。

西洋では古来より宗教儀式に用いられてきた伝統的な香り。
樹脂が透明から乳白色に変わる見た目から乳香と名付けられた。

もっこう

木香(英名:Saussurea root)

  • 産地:
    中国、インド

インド、中国に産出するキク科の多年草の根。防虫効果もあり、鎮痛、消炎の薬効もある。

正倉院に納められている木香が日本で確認される最古のものとされる。
木香には他にも青木香や川木香、土木香などがある。

じゃこう

麝香(英名:Musk)

  • 産地:
    中国、チベット

ヒマラヤ山岳地方より中国、シベリア地方に広く分布するジャコウ鹿の雄鹿が雌鹿を誘うための物で強い香りがする。

発情期の雄の香嚢から採取した物で、約1000倍に薄め調合すると他の香りを濃厚で熟成したものに変える。

はいそうこう

排草香(英名:Agastache rugosa)

  • 産地:
    中国

シソ科のカワミドリの根を乾燥させ、香原料として使用。薬用として、鎮咳などに用いられている。

中国ではカワミドリは 土藿香と呼ばれ、パチョリは広藿香と呼ばれる。同じシソ科であり、香りに違いはあるが、両方爽やかな香りが特徴である。

れいりょうこう

零陵香(英名:Lysimachia foenum graecum)

  • 産地:
    中国

サクラ草科の多年草の葉を乾燥させたもの。種子の部分を風邪薬として使用する。またスパイスとしても使われる。

香りが強く、他の香原料と一緒に置いておくと、すべてに香りが移ってしまうと言われるほど強い香りである 。

りゅうぜんこう

龍涎香(英名:Ambergris)

マッコウクジラの胃腸内に発生する結石。消化できなかった餌を、消化分泌物により結石化させたもの。

龍涎香は多くが海岸に流れ着くロウ状の塊を採取したもので、長い間、正体がわからなかった。
中国では神秘的な香り・色・形状から龍の涎の香りと名前を付けた。

きっそうこん

吉草根(英名:Valeriana fauriei briquet)

  • 産地:
    中国

オミナエシ科カノコソウ属の多年生植物。成分に吉草酸が含まれるため刺激的な香りであるが、少量使うことで香りに深みがでる。

足の裏のにおい の原因物質に吉草酸の異性体であるイソ吉草酸があり、同様に吉草酸も足の裏のにおいのような香りがする。しかし、ごく少量入れることでコクのある深みを感じる香りになる。

たぶ

(英名:Machilus thunbergii)

  • 産地:
    中国

樹皮を細かく砕いて抹香(火種)や、糊剤としてお線香に使用される。

粉末状の椨皮を水で練ると粘り気が出る特性や 、焚いても他の香りにそれほど影響しないことから、お線香の主原料として使用されている。
香木や漢薬などで香りを作り椨粉を練り合わせ、棒状に仕上げて乾燥させるなど、様々な工程を経てお線香ができる。